メイン オブ フェアリー...

夢で見る現実。暖かな朝










「ん・・・もう・・・朝か・・・。」


一つ。生まれ落ちた命。


氷妖という名の黒いラヴォクス。



「あいつは・・・?」

いつもは、俺より起きるのが遅いはずだが・・・
隣の部屋からは、寝息が聞こえない。



「ギャァァ!!」



下階から聞こえるあいつの悲鳴・・・なのかな

氷妖は、「一体なんなんだ・・・この匂いは・・・」と呟きながら、着替えていた。




黒。黒のさらに黒。漆黒というに相応しい色をしていた。
目は、奥にシャッターが降りているかのように、感情の無い目をした、紅い瞳。
悲しい過去を隠すかのような、ラヴォクスには無い、小さな黒い翼・・・。





「あー眠い・・・だが、この家とも今日で別れるのか・・・。」


名残惜しそうに、壁を手でさすって、呟いた。



そして、下の階に降り立った。あの翼で。



「臭うな・・・フェイアント、また料理に失敗したか・・・・?」




「げ、氷妖・・・もう起きたのか?」


答えを返したのは、眼鏡をかけた、空色のクンパ、フェイアント。




「当たり前だ。普段はお前より早く起きるだろ・・・・・・それより、この有様は何だ?」



指をさしたのは、もう見るに無残な台所。とてつもない悪臭を放っている食べ物。



「あー・・・いや・・・その・・・なんだ・・・俺は料理が苦手なことを知っているだろう・・・」



「苦手なら作るなよ・・・飯は俺が作るといつも言ってるだろう。フェイアントは紅茶でも煎れてくれ。」

ため息をつきながら、悪臭を放つ食べ物達を片付ける。



「お願いするよ・・・。」


フェイアントは、危うく食べ物の残骸にぶち込まれるところだった食器と、/flowerを唱えた。




「ッ・・・ここで/flowerをするなと何回もいってるだろう!!/storm!」

氷妖は、そこらじゅうに花が咲き誇ったのを、竜巻で消し去った。



「あー!!紅茶の葉が底をついてるから補充しようと思ったのによー。」




「その必要はないわ。フェイアント。」

階段を下りてきたのは、薄黄緑色のラヴォクス。



「フュルナ・・・起きるのが遅いぞ。」


呆れたように、玉葱を切り刻みながら呟く氷妖。



「・・・ッ。五月蝿いわね!そもそも氷妖が早いだけよっ!」




「同意。」

フェイアントも手を上げて同意を示す。



「おやおや。普段は俺が起こさねぇと昼まで寝てるお前等が言う言葉か?」

嫌味たっぷりに玉葱を微塵切りにする氷妖。



「・・・・・・あら、そんなことあったかしらねぇ〜♪」



「とぼけるな。/log。ほら、お前が叩き起こされてる映像があるだろ。」



「し、知らないもんね!!」

慌ててフュルナは逃げようとするが・・・


「/dark」

フェイアントが技・暗闇を唱えた。


「逃げようとしても無駄だぜ・・・・?」

暗くて見えないが、きっと今のフェイアントは、フュルナを捕まえ、ニッコリ笑顔を作っているところだろう・・・。


「な、何よ・・・離しなさいっ!」


「ほらほら反応しちゃって・・・」





「/thunder フェイアント!!」

氷妖の声が暗闇の中に響いた。


その瞬間、普通の/thunderとは比べ物にならないくらい大きな雷がフェイアントを直撃した。




「お二人さん・・・朝食が出来たよ・・・?」

ニッコリ微笑むのその姿は、まるで悪魔を見ているかのようだった。







続。